かけ算の順番のやつ

最近なんか子どもの答案がよくSNSにアップされたりしてますが、

より良い指導のための議論になるなら、それもいいかと思うんですけど、

一つだけ、意見を言いたいのが、
「かけ算の順番とかどうでもええやんけ」問題です。

1あたりの数 × いくつ分 = 全部の数

という立式でなく

いくつ分 × 1あたりの数 = 全部の数

という立式になってる場合に減点している教師なんやねん、答え一緒やん、というやつ。

私も減点していますので、この教師クズ~みたいなコメント見てはグサグサ凹むという、見なければいい、はい、そうですね、いや無理です、気になるから見てしまう。

なんでこの場合に減点するかというと、
立式を自分でする問題というのは基本的に「数学的な考え方」ができているかを問う問題やから、です!

算数のテストには評価の観点があるので、計算などの「技能」を問う問題としては、計算式が元々に書いてある問題が出題されています。

問題文を自分で読み、その状況を読解して、正しい式を立てて、答えを出す、という問題は「技能」ではなく「数学的な考え方」ができているかを問うています。

だから、例えば式が正しく立てられていて、計算ミスにより答えが違ってしまった場合でも、立式できている段階で半分点が与えられることになっています。



それを踏まえて、小学生は単元ごとにテストをして力をはかるので、

こういう人がたまにいるんです。

「問題の状況とかはよくわからんけど、とにかくかけ算のテストなんやから、出てくる2つの数字をかければいい。」

そういう人は、例えば問題の中にわり算でないと解けない問題を一つ放りこまれたら、絶対間違えますよね。

そんな状態を、答えがあっているからといって「数学的な考え方」ができている、と評価していいのか、という葛藤があります。

でも、単元ごとの評価である以上、「かけ算」のテストにポーンと「わり算」の問題放りこむわけにもいかない…。

だから私は指導の段階で、かけ算はどちらからかけても答えは同じになるということを伝えた上で、

「式を立てるときは、頭の中で考えていることを先生に伝えるつもりで『1あたり×いくつ分』の順番で書いてほしい。」

と指導しています。

もし

「たかし君は、いとこの男の子が大好きだというので、お饅頭を6個買ってあげました。ちなみに、たかし君は8歳、いとこの男の子は6歳です。お饅頭一個の値段は10円と値札に書いてあります。たかし君はお店の人(26歳)にいくら払えばいいのでしょうか。」

みたいなくそ意地の悪~い問題が出たとして(出ないですよ、実際)

「一個10円のものが、6個あるのか、全部の代金を計算するには、かけ算しないと。(ところでなんで全員の年齢言うねん。)」

ということが本当に『考えられている』のならば、私の指導をちゃんと聞いている限りは、

10 × 6 = 60

という式を、立てることができるはず。

その、今書いた「思考する力」をなんとか、はかりたい、苦肉の策なわけです。

今のくそ意地の悪い問題のように、あえて「いくつ分」→「1あたりの数」の順で問題文に出てくるパターンがあります。

何も指導していなくて、減点するのは違うかな、と思うけど、前もって何度となく

「問題文をあなたが理解していることを伝えるために、式は『1あたり×いくつ分』で書いてね」

と指導していれば、問題文に出てくる数字をただ順番にかけ算の式にしている人と、

その状況によって、わざわざ数字を入れ替え、確実に『1あたり×いくつ分』の式が作れている人では、やっぱり『数学的な考え方』をする思考力には差があるのではないかと思います。

というわけで、基本的に、やっぱり教師は子どもの力を正しく評価するために、日頃さまざまな指導をしており、減点する場合には、ある程度、指導に照らし合わせた自分なりの理屈があると思うんですよね…。

こんなんおかしいやろ!?と思ってSNSにあげる気持ちもわかるけど(実際、教師という立場から見ても、そりゃないぜ案件は多い)

そんな風に不信感を溜め込まれるくらいなら、も、なんでこれ減点なんすか?って全然、気軽に、聞いてください!と私は思います。

こんだけ、評価評価言っといてあれですが、私はテストの点がどれだけよかろうが、心の貧しい人間では人生楽しくないと思うし、どれだけ読解力なかろうが、工夫を凝らして豊かに楽しく生きていければ、なんの問題もないと思っています。


でも豊かに生きるために、今の自分の力を把握してほしい、そして、できる限り、自由な心で生きるために苦手なことでも力をつけてほしい、

そんな感じで、今の段階での考えだから未熟ですが、私なりに、きちんと子どもの力をはかろうとしています。

学校には、確かに変なところがたくさんあって、私もいまだに馴染めない変な校則とか、色々あります。

でも、授業に関しては、素晴らしい先生たくさんいます。
出来る限りの個々に寄り添った指導をしようと研究を積まれてる先生方を尊敬しています。

それでな~
一個の答案の一個の減点をみてな~
「最近の教師クソ~」
「学校教育終わってる」
的なことを言われるとつい、ね、
ムッとしてしまって、

こんなに語ってしまってね、
大人げないですわ、

こんな時期に何を書いとるのやら、
がんばろ。

がんばろ。




がんばろ。

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